棚田見学会

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たま鑑
昨日、棚田見学会に行きました。
朝から生憎のお天気でしたが、生徒たちは元気そのもの。
午後からは晴れて、自然の中でたっぷり楽しんできました。


千葉県鴨川市平塚にある大山千枚田は、東京から2時間足らずでいける、東京に一番近い棚田です。
棚田は、保水・洪水調節・地滑り防止・里山の生態系の保護など多面的な機能を有しています。
昼夜の温度差が大きく、お米がよく熟すので、棚田のお米はとてもおいしいのです。
しかし、山間部にあるため生産効率が悪く、機械化も難しいので、
高度経済成長期以後、棚田はどんどん減ってきています。
しかも、後継者不足という問題もあります。

ここ大山千枚田では、棚田本来の姿を保持しつつ、これらの問題を解決するために、「棚田オーナー制度」を取り入れています。
NPO法人大山千枚田保存会が、都会に住む農業や環境保全に関心のある人を募り、一枚単位で田んぼのオーナーになってもらうのです。
オーナーになった人は、自分の田んぼを耕し、田植えをしたり、収穫などを楽しむことができます。
もちろん、自分の田んぼでできたお米を堪能することができます。

都会の人たちが、日本の昔の農業の姿をよく残している棚田の価値に気づき、失われつつある自然をなんとか守ろうとしている、ということでしょう。
旱魃の時の水やりなど、最低限のことは保存会でやってくれるようですが、実際に見てみると、良く手入れの行き届いた田んぼと、雑草の生えてしまっている田などかなりの差があり、オーナーになれば棚田保全に貢献できる、というものでないことがわかります。

三輪田学園が棚田見学会を始めたのは6年前。
現在の高三生が中一の時からです。
私の大学時代の恩師・中島峰広先生が、日本棚田学会の重鎮で、
同窓会でお会いした時にお話を聞き、
「ぜひ、うちの生徒たちに見せたい!」と思ったのがきっかけです。

棚田の脇にクラブハウスがありますが、大人数は収容できないので、
夏休みのフィールドワークとして、希望者のみで実施しています。
初年度は35名程度の参加者でしたが、その後だんだん増え、
今年は生徒だけで82名、保護者5名が参加してくれました。

当日は、朝7:50に学校集合。
バスでアクアライン・うみぼたるを経由して大山千枚田へ。
例年ですと、山の麓にある畑で藍葉を摘む作業等をしてから棚田に向かうのですが、昨日は雨のため農作業はカット。
わら細工班と藍染め班に分かれて体験しました。

〈藍染めのハンカチ完成!〉

私はわら細工班に参加したのですが、クラブハウスの隣の古民家の中で作業しました。
藍染め班はクラブハウスで、藍の生葉を使った染色の体験です。
                 〈わら細工で亀を作りました〉

それぞれ作品完成後、棚田の中を散策しました。
棚田の中には様々な生物がおり、生徒たちは大喜びでした。
              「サンショウウオみつけた!」

わら細工の作業をしながら驚いたことは、
麻ひもを固結びできない子が多かったこと。
確かに、今の生活の中では、自分でひもをしっかり縛るという場面は少ないのかもしれません。

棚田見学会は1日限り、しかも希望者のみですので、
これで棚田を含む環境保全や農業の抱える諸問題を教育をしています、とはいえませんが、
少なくとも参加者は、これらに興味を持ったことは確かです。

まず、気付き、そして行動する。
その気付きのきっかけをできるだけたくさん与えるのが、
学校教育の本質だと思っています。