連休が終わって…

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たま鑑
楽しみにしていたGWもあっという間に終わって、いよいよ運動会が間近になりました。
今朝も、相変わらず生徒はずいぶん早く登校して、競技やダンスの練習に余念がありません。
みんな、GWにはゆっくり身体を休めたのでしょうか。

私はGWには持ち帰りの仕事や溜まっている家事に悲鳴を上げながらも、
それなりに充実して過ごしました。
"それなりに…"とは、一つは本を読むまとまった時間がとれたこと。
もう一つは、久しぶりに棚田に出かけたことです。

発売早々売り切れになった村上春樹の新作が再入荷したというので、買い込んで読んでみました。
テーマになっている「色」についてあれこれ考えましたし、
リストの「巡礼の年」がバックミュージックのように流れているのはステキでしたが、私としては『羊をめぐる冒険』の方が好きだな、という感想です。
この他にも五木寛之やら山折哲雄やら読みましたが、一番のヒットだったのは『いけちゃんとぼく』でした。

この本は、私が緊張が続いて精神的にへこんできたな…と思うと、急に読みたくなる本の一つです。
このあいだ、中1のある生徒に「すごくジ~ンとくるから、読んで」と貸し出し、それがまだ手元にあったのでした。
この本は『毎日かあさん』でおなじみの、西原理恵子さんの作。
つまり、漫画です。
最近では漫画は、サブカルチャーどころか文化として大人社会にも位置を確立していると思います。


「ぼく」はちょっとシニカルなところのある小学生。
謎の生物「いけちゃん」が「ぼく」のまわりにいつもいてくれて、
成長を見守ってくれています。
「ぼく」はおぼれそうになったり、父親の死や大人社会の理不尽に戸惑ったりしますが、「いけちゃん」はそれを温かく見守ります。
読者は最初のうち、時には数が増えたり色が変わったりするユーモラスな「いけちゃん」に目が引かれていますが、やがて自分自身が「いけちゃん」の視点で「ぼく」を見ていることに気付きます。

子どもの成長には、男の子であれ、女の子であれ、「いけちゃん」のような「見守りの存在」が必要なのかもしれません。
それが現実の存在でなくても、お気に入りのぬいぐるみのようなものでもよいと思うのです。
自分のすべてを肯定・許容してくれる存在。
この世のすべてが自分のためにあると信じて疑わない幼児期から、
児童期に入って少しずつ世の中のことを知り、ゆっくり大人に向かうために。

最後に「いけちゃん」の正体があかされるのですが、そこで涙涙…。
映画化もされましたが、原作の漫画を読んだ方がはるかに泣けます。
まだ読んだことのない方、試しに読んでみてください。
三輪田の図書館にもありますからね。

さて、もう一つの"それなりの満足"である棚田は、私の大好きな場所。
千葉県の鴨川市にある大山千枚田という棚田に行きました。
東日本大震災が起こるまでは、毎年夏休みに中1の希望者と地理のフィールドワークに出かけていたのですが、震災後足が遠のいていました。
改めて棚田を見回してみると、自然の景観の美しさもさることながら、
100年以上かけて、この山間の急斜面に田を拓いた人々の営みに
感嘆せざるをえません。
棚田は環境保全の意味合いから語られることが多いのですが、
そこに生きた人々の汗の歴史をもっと学ぶべきだと思います。
この夏、ぜひまた訪れたいと思っています。

                 5月6日、田植えを待つばかりの大山千枚田


さて、連休も終わり。
新しい日々に向かって、歩いていきましょう。