お母さんの目線の高さ

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たま鑑
このところ、不安定な天候が続いています。
5月の運動会めざして、各学年朝練が始まっているころですし、
外でしか活動できないソフトテニス部さんのためにも、
できれば晴れていてほしいのですが。
また、このところ着物を着て来る機会の多い私にとっても、お天気は重要です。
着てくるのは洗える小紋や、紬なので、そんなに大騒ぎはしなくて良いのですが。
以前は学校に着物を着てくるのは高校卒業式だけでしたが、それはフォーマルウェアとしての着方。
着物は日本人にとって民族衣装なので、デイリーウェアとしての着方が復活してもよいのでは?と思っています。
最近、ご家庭で着物を着る機会が減っています。
先日紬を着て歩いていたら、「先生、浴衣、かわいい!」と高校生。
三輪田では高1の時に自分たちで浴衣を作りますから、着物=浴衣と思い込んでいる様子。(浴衣で仕事場には来ません!)
着物は着用のためにいろいろルールがあるので、そういうことを知ることも、グローバル化の中で多様性を進めることになるのかも、と考えています。


               なんと、眞佐子先生と2ショット!


さてさて、そんなこんなで、着物を着て夕方のそこそこ混んだ電車に乗っている時の出来事です。
3歳くらいのかわいい女の子と、そのお母さんが乗ってきました。
時間は6時近く、雨の日でしたので、女の子は小さな傘を持っていました。
ピンクのレインコートにピンクの長靴。
女の子はご機嫌でお母さんに話しかけます。
すると、そこそこ混んだ電車なのに、お母さんはかがみ込んで、
女の子と同じ目線の高さになり、熱心に女の子の話を聞いてやり、
彼女の雨に濡れた傘が他の人に触れないように、そっと抑えていました。

お母さんの大きなトートバックの中には、付箋を張り込んだ書類やノート類がぎっしり詰まっており、
もう一方の肩には、保育園にお子さんを預けたことのある方なら誰でも記憶にある大きな布のお通いバックを掛けていました。
「たぶん、あの中には今日の着替えやシーツ類、連絡帳なんかが入っているのだな。帰ったら即、洗濯だろうな…」と思いつつ、
雨の日の保育園帰りは最悪だった…と苦い思い出が蘇りました。

仕事と子育ての両立は、女性にとって重大なことです。
しかしそれは考えて見ればほんの一時期のこと。
しかもこの時期の子どものかわいさは、この時期にしか味わえない。
これが子育ての醍醐味というものでしょう。

おそらく職場ではバリバリ働くキャリアであるこの若いお母さんは、
そのことをちゃんと理解して、子どもの目の高さに合わせているのだな、と感じました。

今の中学1年生が社会人になる10年後、女性の労働環境はどのように変化しているのでしょう。
私が三輪田生だった頃、ウーマン・リブ運動の終焉期でしたが、
三輪田という女子だけの環境で、「女性が子育てしながら働いて生きる」という覚悟を育てられたような気がします。
これからの時代は、女性の人生は「仕事」と「結婚・子育て」のどちらかを選択する時代ではなくなります。
どちらも手放さずに両立させる覚悟を、この若いお母さんから感じました。
これから三輪田で育つ生徒の皆さんにも、この覚悟を育てられたら、三輪田の進路指導は完成かも、と思っています。