三輪田学園で学んだこと

投稿日:

shin-no-michi
 先日、思わぬ卒業生の訪問がありました。青学年の62回生で、現在大学4年生の二人。在校中はそれほど親しかったという印象もない、意外な組合せだったので、何だろうと思って話を聞いてみると…。
 お互い全く知らないままに同じ会社から内定をもらい、昨日の内定者懇談会でばったり顔を合わせたとのことでした。
「これはもう先生に報告するしかない!と思って二人で来たんですよ」と笑顔で語る二人と昔話に花を咲かせながら、高校時代の二人を思い出していました。

 同じ三輪田の卒業生と言っても、ずいぶんタイプの違う二人でした。いわゆる優等生で文化系のクラブに所属していたYさん。クールな立ち居振る舞いで周囲からはある種の「敬意」に近いものを持たれていたように思います。一方のEさんはバリバリの運動クラブ。運動会の応援ダンスでも下級生の頃から指導的な立場に立って「明るく熱い」リーダーシップを発揮してきた生徒でした。
 進学先も全く別。同じ人文科学系ではありますが、いわゆる最難関の総合大学と中堅女子大。実は二人とも第1志望ではありませんでした。特にEさんは世間的に見れば「不本意な進学」と映ったかもしれません。

 そんな二人が、互いに知らないままに同じ会社を自らのキャリアとして選び、万単位のエントリーシートと厳しい面接をくぐり抜け、来年の4月からは同僚となるのです。大学のブランドや就職力が取り沙汰されることの多い昨今ですが、今回の二人の報告には非常に感慨深いものがありました。

 社会人になると、「出身校」と言えば最終進学先です。ある程度親しい関係にならければ「出身高校」が問われることはまずありません。そんな状況の中、時々耳にするのが、「三輪田の卒業生は人間的にしっかりした人が多く、信頼できる」という声です。
 二人のエピソードも、そのことを裏付けている……というのは、やはり身内びいきが過ぎるでしょうか。実際、大学進学後に二人が積んできた研鑽と成長があればこその結果であることは間違いありません。
 それでも、帰り際にEさんがしみじみと言ってくれた一言を、私たち教員全員が肝に銘じて指導に当たるべきだと思います。

「先生、私は三輪田での生活の中で、勉強より何より『人間性』を学びました」

 もちろん、「徳才兼備」ですから「才(=学力)」を磨くのは当然のことです。しかし、「才色兼備」でもなく、「知徳並進」でもなく、まず「徳」を磨くことを優先するのが三輪田の指導。そしてその指導は、最終的に卒業生のキャリアアップにもつながっているのではないか。進路指導の原点について、改めて考えさせられた出会いでした。