変わる?グローバル時代の大学入試

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shin-no-michi
 学年末考査が終わりました。一年の学習を締めくくる4日間でしたね。生徒でこのブログを読んでいるのはおそらく高校生でしょうから、ここからは高3送別会へ一気にシフトチェンジしていることと思います。

 高3の皆さんはほとんどの人が受験を終えていることでしょう。結果は様々だったと思いますが、気持ちを整理して最後の大イベントである卒業式に臨んでほしいものです。

 さて、表題にした「グローバル時代の大学入試」です。今年度から上智大学が実施したTEAP利用型入試は大方の予想通り多くの志願者を集めました。TEAP利用型全体で9倍近い実質倍率(一般は約5倍)となり、学科によっては20倍を超えるところもありました。
 下級生の人の中には「TEAPって……何?」という人もいるかもしれませんね。公式サイトによると、

「Test of English for Academic Purposesの略語で、上智大学と公益財団法人 日本英語検定協会が共同で開発した、大学で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面での英語運用力(英語で資料や文献を読む、英語で講義を受ける、英語で意見を述べる、英語で文章を書くなど)をより正確に測定するテスト」

 日本英語検定協会のページ

だそうです。簡単に言うと、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を大学で通用するレベルで運用できるかを問うテストですね。皆さんの体験しているテストの中ではGTECが比較的近いでしょうか。
 上智のTEAP利用型入試は、このTEAPのスコアが一定以上の人を対象にしたものです。各学部が指定する得点をクリアした人が英語以外の2教科を受験し、その合計で合否が決まります。TEAPのスコアは加点されないのがポイントで、英語の運用力が基準以上なら何点でもよいという考え方です。
 ちなみに2016年度入試からは、立教大学も「グローバル方式入試」を導入します。TEAP利用型とほぼ同じ形式ですが、立教の場合はTEAP以外の検定試験も対象になるのが大きな違いです。たとえば英検の準1級も資格として認められます。

 上智に立教。実はどちらの大学もスーパーグローバル大学(グローバル牽引型)に採択されています。グローバル人材の育成を構想として掲げる以上、それにふさわしい人物を選抜するための制度が求められているということのようですね。と、いうことは、同じグローバル牽引型で採択された明治も近い将来……?。更にスーパーグローバル大学以外でも国際化・グローバル化を目指す大学が導入を検討する可能性は、決して低くはないと思います。同時に、トップ型に採択された難関国立大学と早稲田慶応がどのような対応を見せるのかも気になるところです。

 英語が事実上の国際共通語であることは否定しようのない事実。その運用能力が今後の学生(のみならず社会人)に要求される必須スキルになっていく潮流も、そうそう変わりそうにありません。その意味で、「読む・書く」に傾斜していたいわゆる受験英語だけに集中していれば何とかなった時代はそろそろ終わりに近づいているのかもしれません。

 本校にもその流れが確実に変化をもたらしています。高1のESS(English Summer School)にしても、昨年度から始まった中2のEnglish Campにしても、4技能のバランスを考えた英語科が主体となって導入したものです。「読む・書く」だけではない英語が求められていることを、私たちも十分に分かっています。

 ただ、高校生の皆さんに浮き足立ってほしくないとも思っています。TEAP利用型もグローバル方式も入学定員のごく一部を割り当てたアラカルト入試の一つ。5年後は分かりませんが、今高校生の皆さんが受験する時点での「劇的な変化」はないと思ってくれてかまいません。むしろ、もっと将来を見すえた上で意識してほしいこととして今回は取りあげてみました。
 もちろん、英語の力に自信のある人は一つのチャンスとして考えて下さい。ただ、英語で差がつかないということは、残りの2科目の力が問われると言うことをお忘れなく。