見返り阿弥陀

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たま鑑
今日は自主研究日。
班ごとにプランをたてて、京都市内を見学します。
他校と違うのは、タクシーを使わないこと。
公共の交通機関を乗り継いで、3ヶ所以上の寺社を回り、
5時までに宿に帰着しなければなりません。
そのために、事前に綿密な計画を立てるのですが、道が混んでいたり、訪問先が急に休業になっていたりと、予期せぬアクシデントもあるものです。
そういう時こそ班員全体で知恵を絞って、何とかゴールを目指します。まさに、アクティブ・ラーニングですね。

この間、私たち引率教員は連絡係とパトロール係に分かれて行動します。
パトロールはランダムに行動してよいので、私は三室戸寺で紫陽花を鑑賞したあと、久し振りに永観堂を訪ねました。

三室戸寺の紫陽花


目的は、見返り阿弥陀に再会することです。
永観堂は正式には禅林寺というそうですが、この寺で阿弥陀仏を深く信仰した僧の永観にちなんでこう呼ばれます。
もと東大寺の僧だった永観が奈良を去る時、深く信仰していた阿弥陀像を背負って行ったところ、東大寺の僧たちが追いかけてきて、阿弥陀像を取り返そうとした。
ところが、阿弥陀像は永観の背中に張り付いて離れなかったそうです。
京都に来た永観はこの仏像を大切に安置し、今まで以上に熱心に信仰したのでした。
ある時、永観が念仏を唱えながら阿弥陀像のまわりを廻っていると、ふと気がつくと、自分の前を阿弥陀様が歩いていました。
驚いて立ち止まる永観に、阿弥陀様は振り返って一言、
「永観、遅し」と。

だから永観堂の阿弥陀像は横を向いています。
正面から拝観するのでなく、左横から拝観するのです。
私が時々この像を拝みたくなるのは、「よしたま、遅し」と導き、励まして欲しいからだと思います。

すっかり機嫌をよくして戻る途中、移動中の生徒の皆さんと会いました。
今度は私が、「皆さん、遅し」と励ます立場だなと思いました。

明日はいよいよ帰京します。