教育サロンでアクティブ・ラーニング

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たま鑑
 本年度第2回の教育サロンを7月1日・4日に実施しました。
今回のテーマは「5年後の社会で、子どもたちに求められるチカラは何か」でしたが、2日合計で過去最高の120名以上の保護者の方々のお申し込みがあり、このテーマへの関心の高さを感じました。

 5年後の日本…オリンピックが終わり、熱も冷めた頃、お子様方はどうしているでしょうか。
現在の中学1年生は高校3年。いよいよ新テストを迎え、新しい大学入試に臨む時期です。
現在の高校3年生は社会人1年生か、大学院生。
まだまだ未来に希望を持っていていい時期です。

その頃、日本は、東京は、どうなっているでしょうか。
残念ながら明るい未来が開けているとは言い切れない現状があります。
しかしその中でも子どもたちは社会の構成者として成長し、家庭を作り、子どもを育て、私たちと同じように生きる営みをしなければなりません。
大きく社会環境が変わっ世の中で、自己実現を目指して生きていくためには、今の私たちと同じでは対応していくことが難しいのではないか。
そんな問題意識でこのテーマを選びました。
これは私一人で考えるには大きすぎる問題なので、参加者の皆様とご一緒に考えていこうと思い、付箋を使ったアクティブ・ラーニングのスタイルで行うことにしました。

まず、アイスブレーキングのために簡単な自己紹介。いつもつけて頂く学年色の保護者証をはずし、「△年生の□□さんのお母さん」としてでなく、三輪田学園の保護者のお一人というかんじで自由に話せる空間を作ります。6~8人のグループのメンバーが、安心の場で意見交換をできる様にするのが目的です。

次にピンクの付箋に「今の子様にお子様につけてほしい力」「現在あるよい力」等を書いてペタペタ模造紙に貼り付けてもらい、同じ意見や似たような意見を集めていきます。(グルーピング)

今度はブルーの付箋に「お子様にあってほしくない力」「お子様の望ましい力の成長を阻害するもの」などを書いてもらい、同じ模造紙に貼ります。できたところで、またグルーピングです。

この作業で、保護者の皆さんが今お子様にほしいと思う力や性質と、反対にそれらの実現を阻む現状が可視化されました。

ここで私の方から人口や経済の変化,社会や教育の変化について、データに基づいて予測をお話ししました。
今回、私は講演者としてではなく、ファシリテーターとしての役割を果たすつもりでしたので、いつものようなまとめはしません。

5年後、人口は1億2000万を割り込み、オリンピックの借金返済で国債発行高が上がり、格差はさらに広がり、大学入試改革によって大学も二極化が進む…などという暗い話を淡々としたのでした。
生徒たちが保護者の皆様の年齢になる頃、日本の人口は1億を割り込み、GDPは世界の3%を占める程度に落ち込むだろう、ということも… 
最悪のシナリオを呈示することで、不安を煽るだけというご意見もあるかもしれませんが、
改善は事実を直視するところから始まります。

実は、今回のサロンはここからが本番なのです。
今度は別の模造紙を4つに区切り、それぞれを「社会の変化」「経済の変化」「技術の変化」「文化の変化」の4つのカテゴリーに分けて、5年後、あるいはその先の未来に起きる変化をグリーンの付箋に書き、カテゴリーごとに貼っていってもらいました。
できたらまたグルーピングしてもらいます。




最後に予想される変化に対応するためにはどんなチカラが必要か、最初のピンクの付箋を剥がして、緑の付箋のカテゴリーに移してもらいました。
また、新しいピンクの付箋に新しいアイデアを書いてたしてもよいということにしました。
できたらまたグルーピングです。
グルーピングの後には、各グループで出たことを発表してもらい、情報の共有を行いました。

この作業を重ねるうちに、どのカテゴリーの変化にも対応するために必要なチカラが浮かびかがってきます。
もちろん初めから正解もありませんし、こちらも誘導するつもりはありませんでしたが、
どのグループも結局「コミュニケーション力」「忍耐力」「やさしさ」といった、従来三輪田が大切に育ててきた力に、意見が集約されていきました。
さすが、三輪田の保護者の皆様!

今回は付箋を使ったKJ法にプロジェクト・アドベンチャーの手法を少し混ぜて行ったアクティブ・ラーニングでしたが、保護者の皆様にお楽しみいただけたようです。
私の話だけでは「暗い未来…」で終わってしまうところでしたが、
皆様で話し合い、アイデアを出し合うことで、ポジティブにお子様達をこの変化に向かわせていこうという方向になったことが、何よりよかったと思います。

           完成したKJ法の模造紙

「またぜひこういう企画をやってほいい」とのご意見をたくさん頂きましたので、いずれまた第2弾を計画したいと思います。
そして、今回のご意見を参考にお子様のさらなる人間力UPを目指していきたいと思います。