模擬オタワ会議

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たま鑑
毎週金曜日、中学生は5.6時間目に道徳・HRがあり、この2時間を連続させてライフスキルを育てるための様々な取り組みをおこなっています。
今回中1は「平和を考える」というテーマで、清水俊弘先生に講演して頂きました。
タイトルは「母なる大地を取り戻せ!」です。

清水先生には毎年講演をして頂いています。
清水先生は日本国際ボランティアセンター事務局長として、カンボジアや東チモール、アフガニスタンの復興に尽力なさってきた方です。
現在は地雷廃絶日本キャンペーン理事として、未だになくならない地雷やクラスター爆弾よる被害を世界に問うべく、積極的に活動なさっています。

さて、今回の講演は例年と大きく違って、全員参加型のアクティブ・ラーニングで行われました。
舞台上にはアフガニスタン、カンボジア、タジキスタンの地雷被害あった子ども役の生徒と、アメリカ・日本・カナダ役の先生3人が。
他の生徒は客席に座っていましたが、それぞれのイスには各国の国旗が。つまり、その席に座った生徒は、その国の代表というわけです。
この設定で、対人地雷全面禁止条約ができるまでの、いわゆるオタワ・プロセスを再現してみようという趣向です。



清水先生の進行で、地雷の被害の現状が紹介され、その証言者としてアフガニスタンやタジキスタンの子ども役の生徒が、被害にあったときの惨状を述べます。



他の生徒に渡されている国旗にはいくつかのマークが付いています。清水先生の指示で☆マークが付いている生徒が起立すると、それは地雷保有国だったりして、生徒は自分自身で参加しながら「悪魔の兵器・地雷」が人ごとではないと実感するようになってきます。
オタワ会議が開かれた1996年以前は、地雷保有国、生産国は驚くほどたくさんあり、人道的見地から廃止が叫ばれたのも当然と思われました。

そんな中でカナダ代表の呼びかけで、地雷廃絶のためのオタワ会議が開かれるのですが、この会議も順調に進んだわけではありませんでした。
混乱の中、オーストリア代表(この役、私がやりました!)の提案をもとに条約が出来上がっていきますが、アメリカなど大国の反対でなかなか進みません。(このアメリカ代表役の先生は中高時代演劇部。抜群の演技力でアメリカの言い分を主張しました。)
日本は最初のうちはアメリカ追随の姿勢を見せるものの、どんどん盛り上がる世論に押されて、やがて条約賛成に回っていきます。

こうして、現在では162ヶ国が対人地雷禁止条約に調印していますが、依然としてアメリカや中国、ロシアといった大国は調印していません。
「オタワ条約に調印している国は立ってください」という清水先生の指示で生徒ひとり一人が各国の代表として起立します。
しかし、舞台上にも客席にも座ったままの人がいることで、この条約の現状と問題点が浮かび上がってきました。

一人一人が国旗を持って、その国の代表のつもりになって考えると、ふだん考えたことのないいろいろなことが見えてきます。
「この国、どこにあるんだろう?」「どんな国なんだろう?」
「この国、どうしてオタワ条約に調印しないんだろう?」
生徒たちも自分の担当の国に興味を持ったようです。

この授業、「平和を考える」というテーマ以上に、グローバルに広がっていきました。