入試が終わって...「大人になる日」

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たま鑑

2月1、2、3日と続いた入試が終わりました。

昨年に比べ、延べ460名も多くの方に受験していただき、本当にありがとうございました。

午後入試初年とあって、受験生が増えるといいなあと思っていましたが、予想以上の増加に驚いています。

1日は午前・午後とも平均点が高く、「受験生の皆さん、がんばったな」と感心しました。

午前・午後両方受験する方のために、談話室を昼食場所として用意しておきましたが、お天気が悪かったということもあって予想外に校内で昼食をとる方が多く、そこに早めにいらした午後受験生が加わり、昼食時の校内は大混乱。

応接室やクリエイティヴルーム、English Roomまでお使いいただきましたがそれでも足りず、その後おいでの午後入試の方は講堂でお食事をとりながらお待ちいただくことになってしまいました。

予想外のことに学校側の対応がバタバタで、本当に申し訳ありませんでした。

しかし、受験生受付が始まり、いざテストスタートとなると後はスムーズに。混乱なく午後入試を実施できました。

この日は午後から雨、夜は降雪が予想され、翌日の試験に備えて係の先生は校内や近くのホテルに宿泊。

私も、40年近く三輪田に務めていて、初めて保健室のベッドで1泊しました。

翌日2日は繰り下げスタートの受験会場も用意して受験生をお待ちしていましたが、皆さん定刻までに到着されて一安心。

通常通りに試験が行えた3日は、本当に有り難く感じました。

「有るのが難しい」から「ありがたい」なのだなとつくづく感じた一日でした。

さて、そんなこんなで3日間がおわりましたが、今回、第1回午前の国語の問題で使われた佐川光晴著『大きくなる日』がとてもよい小説でしたので、ぜひご紹介したいと思います。

問題になっているのはごく一部なので全体が読みたくて、入試がすんだ後に国語の先生にお借りしました。

主人公は中学生の男の子。お父さんは会社員、お母さんは看護師さん、姉一人という家庭で育ちました。

この家庭がとても温かい。海外出張も多いお父さん、仕事で忙しくお母さん、ちょっとシニカルなお姉ちゃん。

どこにでもありそうな、テニス大好き家族です。

主人公の太二もテニス部にはいっており、問題はこの部活に絡んでおこった出来事から出題されました。

コート整備は太二たち一年生がおこなう習わしですが、その際の当番決めはグーパーじゃんけんでおこなうのが部の伝統。当番になると昼休みが潰れてしまい大変なので、みんなやりたくない。そこで一人に仕事を押しつけるために、他の中1部員全員が図ってパーを出すと決める。予想通りたった一人グーを出したその生徒は、仕方なく一人でコート整備をする。太二もパーをだした一人ですが、なんだか後味が悪くて仕方ない。それはパーを出した他の部員たちも皆同じでした。

このあと、彼らはどういう行動をとったでしょうか。

このような友だちとのちょっとしたトラブルは、実際にあることです。

最初はちょっとしたいたずら心やノリでやったことでも、後に事の重大さがじわじわわかってくる。

その後、どう行動するかが「大人になる」ために大切なことなのだと思います。

中高時代は、社会に出た時に人間関係を上手に構築するための準備期間でもあります。

だから、何事もなく平穏に過ぎてしまうより、小さな衝突や障害を経験し、それを解決して大人になっていくことが大事なのです。

中学受験自体も、大人になるためのひとつの障害で、ここを乗り越えてまたひとつ成長したことでしょう。

受験がすんだところで、ちょっと時間ができたら、読んでほしい一冊です。