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【音楽クラブ】振り返って

三輪田の風音楽

三輪田の風音楽

3になる直前の春休み、後輩と引き継ぎをしている中でこんな事を聞かれました。


「今年できなかったことで1番悲しかったことは何でしょうか?」


その言葉で、私はこの5年間を考える事になりました。


言葉と音程と伝えたい想いが空間を揺らすとき、私たち自身の持つこの声がつづら折りになって音の厚みを作り出し、人々へダイレクトに届く芸術になることがあると信じています。

声が重なる事でできるあの迫力とその中にある温かさは合唱だからこそ経験できるものだと思います。

私は中学1生の夏、まだまだな合唱初心者であり、なんだか合唱なんてものをよく掴めずにいました。

そんな中、この合唱団でNHK全国学校音楽コンクールに出場し、自由曲最後の自分たちの声が会場に余韻として残った瞬間、衝撃を受けました。
確かに、私達はあの時空間をゆらす事ができ、それは会場をつたって歌い手である自分へもかえってきました。今でも覚えていますが、舞台袖に退場後、感動と衝撃で腰が抜けそうになり、崩れ落ちるように先輩に抱き抱えられながらロビーへと向かいました。自然と涙が流れていました。

そんな体験は人が集まらなければできない事。

後輩の皆さんや、本番を見にきてくださる方々とそれを共有できなかったことが私にとって今年、1番悲しい事でした。


三輪田学園音楽クラブの仲間と同じ時間を過ごし、素晴らしい音楽を5年間共有し続けてこられた経験は、今後自分を前へ前へと突き動かす太腿骨と筋肉のようなもの。

私にとって自慢の逸品を手に入れました。きっとこれからの私達の強い自信の礎になっていくと信じています。

ただ、中には、5年間を半ばにして部活を辞めてしまう仲間がいた事も事実です。そんな人たちを見送ってきた経験から一つ提案したい事があります。
一つのものを5年間続ける。この良い機会を逃さずに何でも良いから、何かを頑張ってみることは、自分を成長させるいいスパイスになるかもしれません。
確かに辛いことや嫌になることもあるかもしれません。

でもそれがあることで自分を考えるきっかけができ、周りとの接し方を学べます。

この中高生時代に経験するからこそ、まだ知らない素敵な景色と出会えるのだと思います。

どうか、今のあなたにしかつくれない色をこれからもつくり続けてください。

 

 

最後に、あらためまして。

私が、ここまでの経験をしてこられたのはこの学校の素晴らしい環境と人のおかげです。

この場を借りて今までの全ての出来事と環境と人に感謝を伝えたいと思います。
今まで本当にありがとうございました。


そして今年度、大変な中で私たちの公演や練習にご理解と工夫を凝らし、なんとか部活の活動を続けさせてくださった全ての皆様に感謝と敬意を評したいと思っております。
本当にありがとうございました。

 

5年間、本当にありがとうございました。