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ほぼ月刊 牧雄チャンネル 第3号  今年も三輪田祭はホームカミングデイ・・・とはなりませんでした

校長ブログ牧雄チャンネル

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先日、私がはじめての担任(中学1年)として受け持った生徒から手紙が届きました。とりわけて特徴的な字というわけでもないのですが、丁寧に書かれたその字を目にしたとき、差出人の名前を見るまでもなく、一目で彼女の字だと分かりました。内容は近況報告、英語や礼儀作法など三輪田学園での学びがいかに今の彼女を支えているか、日々感謝の気持ちを持って生活を送っていることなどが書かれていました。嬉しいことに、母校のために尽力したいということも書かれていました。
現在、お預かりしている在校生はもちろんですが、このところ、将来の在校生(受験生)のことばかりに目が行きがちの私に、改めて卒業生の大切さ、卒業生は宝だということを気づかせてくれる手紙でした。
毎年、三輪田祭(文化祭)で、たくさんの卒業生に再会できることを楽しみにしているのですが、10月2日(土)と3日(日)に開催される今年の三輪田祭も、在校生のみの内部開催といたしました。
在校生の保護者の皆さまには、成長したお嬢様の姿をお目にかける機会をなくしてしまいましたことを、受験生やその保護者の皆さまには、生き生きとした自慢の三輪田生の姿をご覧いただく機会をなくしてしまいましたことを、卒業生の皆さまには母校を訪れる機会をなくしてしまいましたことをお詫び申し上げます。

2019年の三輪田祭後に書いた文章です。以前、別の機会に一度配信したものですが、こちらにもお載せいたします。

三輪田祭には毎年たくさんの卒業生が訪れるのですが、今年もとても嬉しいことがありました。中学の時に担任した、ある卒業生との再会です。その卒業生は、中学生の時には反抗期真っ盛りで、担任として苦労した思い出があります。卒業してからも、「どうしているかな」とたまに思い出すことのある卒業生でした。その彼女が、卒業後、初めて母校を訪れたのです。本人曰く、卒業後は三輪田学園に行くことはもうないだろうと思っていたようです。でも、大学卒業後、就職先の先輩に、三輪田学園と関係のある人がいたことから、今年の三輪田祭に半ば無理矢理に連れてこられたということでした。先輩曰く、彼女は校門をくぐり、玄関を通り、受付を済ませる際には顔を隠していたそうです。その先輩には、彼女をどうしても連れてくる理由があったのでした。その先輩は、彼女のある思いを知っていたのでした。彼女には私に伝えたい言葉があったのでした。
彼女は私を見つけると少し恥ずかしそうに「先生、私のこと分かりますか?」と聞いてくるのでした。「もちろん、○○さんだよね。おかえりなさい。」彼女の表情は中学生の時のままでした。そしてしばらくの沈黙。すると先輩が「あなた、先生に言いたいことがあるんでしょ。伝えたいことがあるんでしょ。だから今日来たんでしょ。」すると彼女は、急に真面目な顔になって「先生、ありがとうございました。それを伝えたくて今日来ました。大学を卒業して、就職して、今は無遅刻無欠席で頑張っています。」教員をしていて何よりも嬉しい瞬間でした。別れ際に、「私は何があっても○○さんの味方、応援しているからね。」と伝えました。

三輪田学園はお預かりした生徒、お一人おひとりを大切に育てます。卒業後、お互いに少し年輪を刻むことがあっても、ここにはあなたを温かく迎えてくれる教員がいます。三輪田学園はこれからも卒業生にとっての心の故郷であり続けたいと思っています。来年の三輪田祭こそは、卒業生の皆さんにとってのホームカミングデイとなりますように。