インターネットやAIを駆使すれば、答えを調べるのは容易です。しかし、私たちが挑むべき問いはすでに答えのあるものばかりではありません。哲学対話では、これからの社会を生きていく上で必要な課題を発見する力、相手の話をよく聞く力、問いについてじっくり考える力、自分の考えを表現する力を養います。
まずは参加者全員が、答えのない問いを出し合います。
日ごろ気になっていることを自由に話すこともあれば、「平和」「人間関係」などの決まったテーマや、映像作品や文章から問いを立てることも。
「友達と親友の違いは何?」「良い学校ってどんなところ?」「どうしてこの教科を勉強するの?」「善人は本当に存在するのか?」「AIにはできない仕事は何か?」
その日に話す問いを決めたら、ルールに従って、時間いっぱいまで対話をします。
中学1年生では、外部講師をお招きして哲学対話について講義を伺った後、学年全体を小グループに分けて実践をします。
その後は授業内の他、希望者は夏・冬休みの補習や放課後哲学対話に参加します。
大学生・大学院生を学校にお招きしたり、大学の哲学科の授業に伺ったりと、校内のみならず校外の方と哲学対話を行う機会もあります。
哲学対話は時間がきたら、対話の途中でも終了します。「もっと考えたい!」と思うのか、帰り道で「さっきの話だけどさー」と、対話を振り返りながら帰る生徒たち。「この間の続きがしたい!」と、くり返し同じ問いを投げかける生徒の姿をよく目にします。