10/11(土)、高校2年生3名が、本校教員の恩師が企画する、立教大学異文化コミュニケーション学部主催の公開シンポジウム、トランスナショナル・シネマ・シンポジウム2025に参加しました。
今年のテーマは、「尹東柱、立教に帰る〜共に創る未来〜」
尹東柱は韓国の国民的詩人で、現・延世大学を卒業後、戦時中の1942年に日本に留学し、はじめの半年ほどを立教大学で過ごした経験があり、彼が日本で書いた詩のうち現存する5編は、いずれも立教大学在学中に書かれたものです。
今年は尹東柱の没後80年、日韓国交正常化60年の節目となる年でもあり、尹東柱の詩碑が立教大学池袋キャンパスに建立され、このシンポジウムの日にその除幕式が行われました。
シンポジウム第一部では、舞台美術デザイナーのパク・ドンウ氏の講演、作家コン・ジヨン氏と異文化コミュニケーション学部イ・ヒャンジン教授の対談が行われており、いずれも韓国を代表する芸術監督、作家さんなのですが、私たちは午前中の授業を終えてから向かい、第一部終盤の到着となったため、残念ながらお二人のお話を伺うことは叶いませんでした。
詩碑の除幕式が生中継でシンポジウム会場に届けられた後、第二部は2016年公開の映画『空と風と星の詩人~尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯〜』の上映、第三部は立教大学と延世大学の学生および韓国の俳優イ・デヨン氏による詩劇「ごめんなさい、ドンジュ」の上演が行われました。さらに最後にはスペシャルゲストとして、韓国の俳優チョ・ジェユンさんとチェ・ジニョクさん、日本出身のKPOPアイドルKAZUTAさん(n.SSign)も登壇し、詩の朗読や歌唱が行われるなど、盛りだくさんな内容でした。
参加した生徒たちは尹東柱詩人を今回初めて知ったと話してくれましたが、シンポジウムを通して、植民地統治下で禁じられたハングルで詩を書き続け、自然を愛し、自由と恒久の平和を願った尹東柱の想いを、しっかりと受け止め、また歴史についても考えさせられたようでした。
また、一部と二部の間にはゼミ生にキャンパスツアーも行ってもらい、大学の様子を知ることが出来ました。長丁場のシンポジウムでしたが、高校までの教科教育を超えた、学びの世界を体験することが出来たようです。