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ほぼ月刊 牧雄チャンネル 第2号(お待たせいたしました号)

校長ブログ牧雄チャンネル

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校長になって、授業ノートや古い資料を整理していたところ、もう10年以上も前に中学3年生を担任している時、生徒に話したことの原稿のようなものを見つけました。
私のクラスでは、誕生日を迎えた人のことをみんなでお祝いすることにしていました。終礼の時間やお昼ご飯の挨拶の時などに、日直の生徒やお友達が教壇に立ち、「今日は○○さんのお誕生日です」と紹介してから、みんなで「ハッピーバースディ」を歌います。もちろんプレゼントの交換は禁止です。
原稿には次のことが書かれていました。

「なぜ、誕生日に、お祝いするかって、それには2つの理由があるからです。
1つは、あなたがこの世に誕生してきたことをお祝いするためです。産むお母さんも頑張りましたが、産まれるあなたも一生懸命に頑張って産まれてきたのです。そうしなければあなたの誕生はありませんでした。思春期にもなると、特に皆さんのように反抗期が激しい場合には、親に向かって、『何で私を産んだの』、『産んでくれと頼んだ覚えはないよ』なんて言葉を発してしまうことがあるものです。でも、あなたは、祝福の中で、祝福に包まれて産まれてきたのです。あなたが産まれたことで、周りはどれだけ幸せになったことでしょう。そして今も、あなたがここにいる、存在するというだけで、素直に嬉しい、良かったっていう人は必ずいます。だから、お誕生日にはお祝いするんです。
そして、お祝いのもう1つは、あなたが今生きていることに対してです。皆さんは14歳か15歳、この歳まで、楽しいことや嬉しいことがたくさんあったと思います。反対に悲しいこと辛いこともたくさんあったと思います。よく生きてきました。よく生き抜いてきました。中学3年で迎えるお誕生日にケーキの上に立てるロウソクの数は15本、その数はあなたが頑張って生きてきたことの証です。お疲れ様でした。そして、ありがとう。」

私が担任をした当時の生徒は、今はもう20代から30代になっていると思います。皆さんお元気でお過ごしでしょうか。ロウソクの数はあなたが頑張って生きてきたことの証です。20本、30本と増えることに恥ずかしさを覚える必要なんてありません。お誕生日には、これまで生きてきたことを、ここまで生き抜いてきたことをねぎらいましょう。よく頑張ったね、自分。そして、これから新しく始まる1年、次のプラス1本に向けて、現在のロウソクを思いっきり吹き消しましょう。

いつも、今が一番新しいあなたなのですから。